
解決事例
始末書の提出を拒む社員!
問題を起こした社員に始末書の提出を求めたところ、非を認めることになるとの理由で拒んでいます。
会社としてどのように対応すべきでしょうか?
解決策
けっして、提出を強要してはいけません。
納得をしていない者に対して、無理矢理、始末書をとったところで本人は反省するどころか、余計に会社に不信感を募らせ、トラブルに発展するだけです。「始末書」という趣旨ではなく、問題事故の「顛末書」や「経緯報告書」といった形で提出を促すとよいでしょう。それでも従わない場合は、明らかに業務命令に違反するわけですから就業規則に則った懲戒処分を下すことが可能になります。
訪問介護事業所ホームヘルパーの移動時間について
利用者のAさん宅から次の利用者Bさん宅間の移動時間については、実質的に介護の仕事は行っていないので、労働時間としては取り扱わないでいたところ、ヘルパーの一人から「おかしいのでは?」と指摘がありました。
解決策
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移動時間とは、事業場・集合場所・利用者宅の相互間を移動する時間をいいます。この移動時間については、使用者が業務に従事するために必要な移動を命じ、当該時間の自由利用が労働者に保障されていないと認められる場合は労働時間とするべきです。よって、労働時間として扱い、賃金を支払うようアドバイスしました。
代休がたまる一方!
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当社では、休日出勤した従業員には、一律に代休を取らせているのですが、忙しくて代休を消化しきれない従業員が続出して困っています。
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解決策
そもそも労基法には、「代休」を使って労働時間を調整させるという概念自体がありません。又、休日労働をさせた場合に「代休」を与えなければならないとする義務も規定も存在しません。しかし、労働者の体調を気遣い、「代休」を与えることは、労使慣行としては確かに残っています。
原則論ですが、休日労働に対しては「割増賃金」を支払い、「代休」を消化した段階で、支払った「割増賃金」から、割増分を除いた賃金(つまり100/100の賃金)を控除するのが本来の支給方法です(「代休」を認めながら「代休」を消化しない、させないというのは、不適切です)。過去分の未払い賃金は精算した上で、振替休日と有給休暇等を上手く活用するよう、提案しました。結論→管理をしっかりしないと「代休がたまる一方」という結果に陥ることになってしまいます。
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